2006年12月21日

さすらいの銀次郎(7)

午後は、たっぷり時間がある。帰社予定は。5時だった。

2人は、別々の地域を担当するよう支持されていたが、お互いの地域を半分ずつの時間、訪問することに勝手にした。
なにせ、見ず知らずの個人のインターホンを押して、「はいわかりました。顧客になりましょう。」なんて、奇特な人は、少なくとも、ここ大阪には、いそうになかった。

しょうがないので、2人で交互に両隣の家のインターホンを押すことにした。お互い、「せーのっ」と気合を入れて、インターホンを押すが、相手にされるわけもない。何軒かインターホンを押し続けたが、出てくれた人の反応は皆同じ。寧ろ、「留守」だと、ほっとした。「ばかばかしい。やめようぜ。」意気投合するのも早かった。

一応、お茶にごし程度に、担当2区域の家のインターホンを鳴らして、喫茶店で時間を潰すことにした。「なんで、こんなことしなければいけないのか?」頭の中で、この言葉がぐるぐる渦巻く。

時計を見ると5時近くになっていた。そろそろ支店に帰る準備を始めた。一緒に帰ると、「ばればれ」なので、ここはバレーボールの日本のお家芸、「時間差攻撃」を使って、帰社した。

約10分程度遅れて帰ると、金次郎は席にいない。帰るやいなや、課長にこう言われた。「青の部屋に、指導員と金次郎が入っているから、お前も入れ。」とたんに、背中を冷たい汗が流れるのを感じた。

部屋に入ると、刑事と犯人の取調室よろしく、金次郎はもう自白寸前の状態であった。ただ、銀次郎が入ったことで、追求が分散されると思ったのか、はたまた、一蓮托生と思ったのか。金次郎は、少しほっとした表情を見せたように思えた。

posted by wind at 21:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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