2007年01月12日

さすらいの銀次郎(25)

怒る気持ちを抑えて、バックオフィスの事務長のところにむかった。「この数字間違っていませんか。」

やや皮肉を込めて聞いてやった。その事務長は昔は営業マン。計算機片手に約定伝票を確認してくれたが、最後に一言。「これであっています。」

そんなことはない。私の計算と違う。再度、計算し直してみる。何度も何度も計算しなおしえ見る。

何度見ても、3万足らない。やってしまった。計算ミス。背中に冷たい汗が流れ、「わかりました。」と明るく振舞い、席に向かった。「やばい。どうしよう。」この言葉が延々と繰り返された。

皆、お昼に出かけたが、呆然と席に座っておくしかなかった。

「とりあえず、課長に相談しよう。」冷や汗を流しながら、課長に相談した。「日ば損だな。」とうとう「日ばかり」の反対語が出来上がった瞬間だった。

後にも先にも「日ば損」を演じた役者は他にいない。
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2007年01月11日

さすらいの銀次郎(24)

「了解はとってないが、行くしかない。」と思い、立会い場と直接会話ができるヘッドホンを握り締めた。(当時は、場立ちとよばれる人たちが、取引所の中にいて、自分の注文を執行するために、押し合いへしあい押し蔵饅頭をしていた。今では、コンピューター取引にとって変わられたが。)

ヘッドホンに向かって、売り注文を叫んだ。それから、すぐに、客から電話がかかってきた。「電話もらったようだが。」「昨日の銘柄、利益になったので売っておきました。」「わkった。」

ほっ。とりあえず事後了承獲得。これで計6000万の出来高達成。余裕の表情でリラックスしていた。「これで今日の仕事は終わり、楽勝、楽勝」心の中で呟き、昼食のメニューに思いをはせた。

11時近くだっただろうか。約定を示す伝票が手渡された。
「まあ、3万だけど儲けは儲け」と伝票を眺めていると、信じられない光景が!!。3万の儲けを示すはずの数字がどうしても3万たらない。「伝票が間違ってる。」「営業マンがこれだけ努力しているのに、こんな単純な計算ミスがあって許されるのか。」
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2007年01月09日

さすらいの銀次郎(23)

【ちょんぼ】
推奨銘柄に関して、手痛いちょんぼをした経験が一度だけある。ある株式強調日に、推奨銘柄である鉄鋼株の割り当てが、約3000万円ぐらいきた。

例によって、自分の出来高は売り買い合計で申告するので、3000万円を売り買いするだけで、6000万円の出来高が達成できる。

いつものように、ある法人客に、前日割り当て分の寄り付き注文をとって、意気揚々と酒を食らって翌日を迎えた。翌日、既に3000万円の出来高は保証されているため、先輩が一生懸命電話をしている姿を尻目に、株価のボードをタバコを燻らせながら眺めていた。(当時は、席に灰皿が置いてあり、平然と吸える環境だった。今では考えられない。)

すると、寄り付きにかった株があれよあれよと上がっていく。その日に買って、益をだしてその日の売ることを「日ばかり」と呼んでいた。見ている内に、手数料を抜けて、3万円ほど利益がでた。3000万投資して、3万円儲かってもうれしくはないが、やはり、高速道路を突っ走る推奨銘柄である。早く一般道路に下りたほうがよいに決まっている。

益が出た時点で、客に電話をした。たまたま運悪く会議中で出られないとのこと。こちらは早く一般道路にでたい一身であった。
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2007年01月08日

さすらいの銀次郎(22)

当時、新規の転換社債は、ほぼ100%といってもいいほど、上場すると、値上がりした。今でも忘れられないのは、三菱重工の転換社債が上場時に、200万円以上になったことだ。新規の転換社債の払い込みは100万円。払い込んで上場まで2週間程度。
その期間で、もち金が倍となる。こんなうまい話が、当時は存在したのだ。これは何を意味するかというと、手数料100万円を客からもらい、転換社債でそれを埋めることがでるのだ。

営業マンには手数料があがり、顧客は最低限損はしない。また、このような客には優先的によい転換社債がまわされるので、究極のWIN-WINの関係といえよう。
個人の客はほとんどそのようなおいしい思いは味わえない。やはり、弱者はどこまでいっても弱者のまま。
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2007年01月07日

さすらいの銀次郎(21)

とにかくごく普通の上場銘柄を、仕手株(ある程度の株を買占め、ちょうちんがついてあがったところを売り抜ける)のごとく扱い、会社全体で、巨大ちょうちんを作り上げていくのである。まあ、ある種の株価操作に近い。しかし、訳のわからない仕手グループではなく、大手証券が行うため、買う方は安心感がある。
特に最大手のN社の推奨銘柄は、力ずくでも上げてくる。

とにもかくにも前日の夜注文をとる。当日ラジオで「寄り付きで、A銘柄に100万株の成り行き注文が入りました。」等と威勢のいい声が流れてくるが、実際は、前日ちまちまとちょうちん作りをしてきた社員の涙ぐましい努力の結果だった。

このように「推奨銘柄」は短期的には、儲かる可能性を秘めているが、所詮道が切れた高速道路、最後に乗っていたものは、大きな痛手を受ける。大半が個人投資家だ。

ここでノルマを手っ取りばやく済ませる方法をひとつ。法人客で、収支を合わせることで協力を得られる客に売り買いを同時に行うのである。わかりやすくいうと、あるノルマ株が割り当てられたら(その日の寄り値)とほぼ同値で同日に売ってしまうのである。

そうすると、ほぼ手数料が往復の損の金額となる。損を確定させた上で、新規の転換社債をその顧客の損を埋めるために購入させるのである。いわゆるセット販売で、トータルで益がでるようにしてノルマをこなすのである。

これも大抵は、法人顧客が対象である。個人でこれが許されるのはかなりの資産をもった顧客でないと無理である。
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2007年01月06日

さすらいの銀次郎(20)

とにかく上がり始めている株は、どこかで突然道がなくなる高速道路を猛スピードで突っ走ることと同じだ。唯一、このちょうちんで儲けるには、飛び乗ったら、利益がでたら欲張らずすぐ飛び降りることだ。逆に、損しても、「いずれは戻る」と思って持ち続けることは最悪だ。先にも話したが、こういう株は、「ババ」を引いたら、奈落の底に落ちていく。負けは負けと反省し、道路がある内に、飛び降りる勇気が必要だ。悪いことは言わないから。

しかし、そのような株も微妙な動きをする株もあるので注意が必要だ。下がりだしたら、急激に下がるが、その後息を吹き返して、更に上昇する株がたまにある。敵もいろんな目くらましを使い、かく乱してくる。ただいえることは、確実に儲けようと思うのなら、じっくり底値を買い待ちのポーズに徹することだ。

話がだいぶ横道にそれた。話を元に戻そう。

会社の推奨銘柄は、絶対に食べなければいけない定食だ。株式強調日等名前は様々だが、ある特定の日には、推奨銘柄を買いまくる。しかも、通常、当日の寄り付き。(寄付きとは、その日の株式取引の始めにつく取引の値段。)ゆえに、前日の夜に、翌日の注文をとっておくのである。支店に何十万株というノルマが課せられ、それを、営業マンが営かん割(役職ごとのノルマの比率。)で必要な株数をこなしていく。
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2007年01月05日

さすらいの銀次郎(19)

【推奨銘柄】
当時、株式市場は、活況を呈し始めていた。あの日経平均が4万円近くまで行って、急落した、「バブル崩壊」のプロローグの頃であった。

株式銘柄を推奨する場合、自分で調べて薦める銘柄も当然あったが、会社が推奨する銘柄を買わせるということが平然と行われていた。

確かに組織だって買い上げるのだから、上がらないわけがない。でも、株は永遠に上がるものではなく、いつかは下がるものである。尚且つ、組織で買い上げる株については、完全に「ババ抜き」であり、最後に「ババ」をつかんだものは、通常の下がる勢い以上に谷は深い。多分その谷から復活するには、相当の期間が必要となるだろう。

通常、個人が株を買う場合、動いていない業績のよい銘柄を仕込んでおいて、上がったら売っていくというスタイルをとらなければ、まず儲からない。また、購入資金は、余裕のあるお金(下がれば放っておける金)で行わなければならない。更に、下がったときに、追加で購入できる資金も用意しておかなければいけない。(業界用語で、これを「ナンピンする」という。)

結局のところ、株でもうけるためには、長期投資できる金の余裕があるというが条件となり、金持ちはますます儲かるという構造となっている。今流行の「格差社会」の象徴のような場だ。

もうひとつ説明しておこう。株が上がるためには、「ちょうちん」という個人投資家が必要だ。株が上がり始めると、「この株はまだまだ上がりますよ。」と囁かれ、それにつられて買う人たちのことだ。売り抜ける人たちのための踏み台。個人投資家は、いつもそのような役目を負わされている弱者である。
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2007年01月04日

さすらいの銀次郎(18)

どうしても「消費者ローン」から借りるというのは、抵抗があることは否めない。また、名前は「消費者ローン」だが、実態は・・・。

また、その会社は支店のすぐ近く。「誰かに見られるかもしれない。」「間単に借りられなかったらどうしよう。」色々な思いが交錯し、その会社の入り口に着いた時は、心臓が張り裂けそうだった。

おそるおそる入り口を入ると、「いらっしゃいませ」と若い女性の声。カウンターに2〜3人の女性が座っている。幸い、他の客はいない。

急いで手続きを依頼した。その待っている時間は、何時間にも感じられた。実際は20分程度だったと思うが、担当の女性が、「審査に通りました。」といって、20万を手に戻ってきた。

急いで、現金を受け取ると、周りを確認しながら、ビルの外にでた。

落ち着いてから、支店に戻り、何とか処理を済ませ、ボーナス資金獲得のキャンペーンは終わった。

しかし、「自分の金」で穴埋めするのは、結果がよかれ悪かれ気持ちのいいものではなかった。結果をいうと、この商品は年率20%以上で非常に儲かったが、後にも先にも、「自分の金」で穴埋めたのは、これだけであった。
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2007年01月03日

さすらいの銀次郎(17)

この業界に入るとき、「親と自分の金」は使わないと心に決めていた。なぜかと言うと、一度それをやると、最後はその手にたよるようになるということを先輩から聞いていた。

でも、時間とネタがない。「20万ぐらいはいいんじゃないか。」自分の中の悪魔がささやく。
「これをやらないとお漏らし君になるよ。いいのかい。」悪魔は、何度も何度も耳元でささやく。天使の声はまったく聞こえない。

仕方がない。今回限りにしよう。と心に決めた。しかし、これにはもう一つクリアしなければならない問題があった。

なんせ、現金で20万ももっていない。それをどうするかが問題であった。悪魔はまたいいアドバイスをくれた。「消費者ローンしかないのでは?」てっとりばやく現金を手にするには、それしかない。

ボーナスが出るまでの10日間の間だけのつなぎで借りて、すぐに返せばいいじゃないか。自分を納得させ、実行に移すことにした。
posted by wind at 14:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

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